しらかわ読書会

福島県白河市で読書会を中心にいろいろやっています。

しらかわ読書会(第3回)夏目漱石「夢十夜」を開催しました

昨日、9月15日、夏目漱石夢十夜」を課題図書に第3回の読書会を開催いたしました。

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読書会のようす

今回は主催者を入れて10名での読書会になりました! 最多!

課題図書の「夢十夜」は、短編というよりも掌編小説をより集めた作品集です。そのため、今回は10の物語のうちのいくつかを音読してから、感想を交換し合う会になりました。

時間の関係上、すべての話を取り上げることはできませんでしたが、第1夜・第3夜・第6夜・第7夜・第8夜・第10夜を読みました。

それぞれの話の際に出た話題や感想を箇条書きですが、ご紹介いたします。

 

○第1夜

・百合という花の持つあざとさ(イメージ)について

真珠貝の大きさ

・視覚的な作品だった

・女性の美しさとこわさ

・映像化された「夢十夜

 

○第3夜

・罪悪感に関する作品なのではないか

・全体的にぬめっとしている。子どもの受け答えの気味悪さ

・1話と共通する100年という時間の感覚

圓朝落語との関係について

 

○第6夜

・明るくポップな話

・運慶の生きている理由についてはわからない

・悟りに関する物語なのではないか

漱石の創作論なのではないか

・写生的でホトトギス派らしい作品

ミケランジェロが同じようなことを言っていた?

 

○第7夜

・切羽詰まった作品

・恐怖をよく伝えている

・死ぬ間際の時間感覚

 

○第8夜

・美容室という空間について

・夢のなかということがよくわかる

・金魚は唐突だった

 

○第10夜

・豚は何を象徴しているのか?

・豚を払い落とし続ける場面に、夢の不条理さが現れている

・庄太郎の人物像について

・生きているからこそ語れる話

 

箇条書きにしてみても、その場の空気がよく伝わりませんが、非常に内容の濃い読書会になったように思います。

その場で輪読なり音読なりして読んでいくスタイルは、非常に良いのかもしれません。

以上、簡単にですが、第3回のレポートでした。

なお、来月の読書会については別途ご案内いたします。いま話題の映画の原作をみんなで読むつもりでいます。お楽しみに!